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相続登記の義務化

改正経緯

相続登記がされないため、登記簿を見ても所有者がわからない「所有者不明土地」が全国で増加し、周辺の環境悪化や公共工事の阻害など社会問題になっています。
その割合は平成29年には土地全体の20%を超えており、土地活用等が出来ない状態を解消するためにも、これまで任意だった相続登記が義務化されることになりました。

義務化の内容

相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが法律上義務づけられました。
正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が課される可能性があります。
遺産分割の話合いで不動産を取得した場合でも、遺産分割から3年以内に登記をする必要があります。
そのため、新しく「相続人申告登記」という制度が出来ました。
これは、登記簿上の所有者に相続が開始したことと自身がその相続人である事を申し出る制度で、持分までは登記されませんが、3年以内に申請義務を履行したものとみなされる制度です。
また、所有権の登記名義人の住所などに関しても、変更のあった日から2年以内に登記変更の申請をすることが義務付けられて、同じく申請を行っていない場合は5万円以下の過料が科せられることになりました。

いつから

「相続登記の義務化」は令和6年4月1日から始まります。
また、令和6年4月1日より前に相続した不動産も、相続登記がされていないものは義務化の対象となりますので要注意です。(3年間の猶予あり)
なお、登記名義人住所などの変更手続きについては令和8年4月までに施行されます。

最後に

相続登記をしないまま時間が経過して次の相続が起こると、大変な手間と費用と税金がかかる場合もありますし、売却の際には必ず現所有者名義でないと売却することが出来ません。
義務化されるまでもなく、なるべく早めに対応されることをお勧めいたします。