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コロナ禍での事業承継

はじめに

中小企業経営者の高齢化が進み、多くの中小企業・小規模事業者が経営交代期を迎える「大事業承継時代」が到来しています。
コロナ禍で中小企業・小規模事業者は、急激な売上減少などにより甚大な被害を受け、かつて経験したことのない苦境に立たされています。
それでも企業数の99.7%を占め雇用の7割を支える中小企業・小規模事業者が、ウィズコロナ・アフターコロナ時代に事業を継続し、持続的な成長を実現することが我が国経済の再生には欠かせない事になります。

事業承継の方法とは

① 親族内承継
——息子や配偶者などの親族を後継者にする

  • メリット  選定がスムーズ、周囲の理解を得やすい、担保力の承継
  • デメリット 経営者の資質の有無、相続トラブル

② 親族外承継
——役員もしくは従業員など親族外の人物を後継者とする

  • メリット  経営の一体性を保てる、周囲の理解を得やすい
  • デメリット 経営者の資質の有無、資金面のハードルが高い

③ M&A
——他社に合併買収してもらう

  • メリット  経営者の幅が広がる、手元にお金が残る
  • デメリット 相手探しが難解、経営の一体性を保ちにくい

中小企業庁によると承継方法の割合が、20年以上前と比較して最近は逆転しています。
(20年以上前)親族内承継が85%、親族外・M&Aが15%
( 最  近 )親族内承継が35%、親族外・M&Aが65%

コロナ禍で

感染拡大対策や緊急事態宣言の発令によって事業活動に大きな支障が出ており、事業の先行きが不安な飲食業界・観光業界などではM&Aなどによる引継ぎ先が見つからない状態になっています。
政府も新型コロナ対策の一環として、中小企業の引継ぎを支援する「経営資源引継ぎ補助金」などの施策を打ち出しています。

最後に

以前より事業承継の停滞している問題は深刻に考えていましたが、コロナ禍で一層停滞した感があります。
業績悪化で株価が下がれば財産権の移転もやりやすくなるでしょうし、政府の様々な支援もあります。
社長の最後の大仕事は後継者問題の解決です。
日本の大きなテーマだった事業承継問題はコロナ禍を経て、いよいよ待ったなしです。