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スマホ脳

はじめに

本書は、スウェーデン生まれの精神科医であるアンディシュ・ハンセン氏が執筆したものです。
身近なスマホがどのような影響を与えるのか『スティーブ・ジョブズはわが子になぜipadを触らせなかったのか?』という帯書きが気になり手に取ってみました。

本書の要約

脳の現代社会への適応進化

脳は、今も狩猟・採集生活をすごすように最適化されている。
つまりストレスを感じると生き延びるための『闘争か逃走か』の2つを選択できるようになっており、筋肉に大量の血液を必要とすることを見越し心拍数をあげるなど体が反応する。
しかし現代においてのストレスはライオンに襲われるようなものではなく、脳は現代社会に適応できていない。
そこら中に危険を探し出そうとし、すぐにストレスを感じ、気が散り、同時に複数の作業をすることが苦手となる。
現代社会=デジタルライフはメンタルヘルスを抱える人を増やした。

スマホはドラッグ

脳は、新しい知識・情報・環境への欲求があり、次から次へ興味のあるものを提示するスマホに脳はドーパミン(報酬)を分泌する。
これにより依存性が高まる。
IT企業のトップは、その依存性に脅威を感じ、子供にはスマホを制限もしくは持たせない。

マルチタスク

現代のデジタルライフでは、複数のことを同時にしようとしがちだ(マルチタスク)。
これの弊害は、集中力の欠如及び記憶力の低下。
たくさんのことをやり終えた気になるが、何も記憶に残っていないことがある。

スクリーンが体に与える影響

入眠を阻害することがあり、睡眠不足が続くと集中力が低下する。

運動が対抗策

運動をすることによって集中力が高まり記憶も強化される。
簡単な体操6分でも効果がある。
最適な運動時間は1週間に2時間。

 

最後に

メンタルヘルスの問題を抱える人等が増えたこととスマホとを結びつけるのは、いささか強引に感じましたが、脳が現代社会に適応していないこと、マルチタスクが結局何も残っていないことはすごく共感しました。
所々で紙にメモをとるなどアナログ寄りの勧めがみられますが、経営としてはデジタルライフにいかに上手に付き合うかが重要だと思っております。

スマホ脳より
(著)ANDERS HANSEN (訳)久山 葉子 (出)株式会社 新潮社