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キャッシュレス決済の普及

はじめに

昨年10月の消費税増税を機に、キャッシュレス決済(スマホ決済)を導入する店舗が飛躍的に増加しました。
これまでクレジットカードの取扱いがなく現金支払いのみであった小規模店舗でも、PayPayやLINE Payなどの
ステッカーを見ることが増えました。そして、スーパーや飲食店等でスマホ決済をしている人が、年齢を問わず多くなりました。

急速に増えた理由

これまでクレジットカード社会でなかった日本で、短期間にキャッシュレス決済が浸透したのは、消費者にも、
取扱店舗(加盟店)にもメリットがあるためです。
キャッシュレス決済をするとキャッシュバックがあったり、条件を満たせば最大50%もポイント還元されたりする場合もあり、
利用者は急速に増えました。
加盟店が増えた一番の要因は、導入費用が無料であること、当面の間ではあるものの運用費用も無料であるものが
多いことだと考えられます。
これまでのクレジットカードであれば、導入するにあたり読み取り端末等を購入する初期費用や、利用金額に対し
数パーセントの手数料が発生するため、小規模店舗では取扱いがない場合が多く見受けられました。
その費用が不要なのであれば、利用者が増え、利用が活発な今、導入しない理由がないということです。

すべて無料にする勝算

端末を無償提供し、手数料を無料にして、決済事業者にメリットはあるのでしょうか。
PayPayは2021年9月末まで、LINE payは2021年7月まで決済手数料が無料です。
それまでの期間はPayPay㈱もLINE pay㈱もスマホ決済事業に関する収入はなく、会社としては大赤字になると思われます。
しかし、ポイント還元をすることにより利用者が増え、加盟店でなければ消費者に選択されない未来をつくり、
その結果として加盟店が増え、無料期間終了後からは多くの収入を得ることができる戦略だというのが個人的な見解です。

最後に

PayPay㈱はソフトバンクグループの傘下、LINE pay㈱の株主であるLINE㈱もソフトバンクグループの傘下である
Zホールディングス㈱との経営統合がニュースになりました。
未来の利益のためとはいえ、長期に亘り赤字経営を続けられるのは母体が超巨大企業であることに他なりません。
これから他企業が同じ戦略をしても、ソフトバンクグループのシェアを超えることは難しいのではないでしょうか。
キャッシュレス事業に関しては、攻めの姿勢で挑んだソフトバンクグループの一人勝ちなのかもしれません。